檸檬の備忘録

私の言語と感情を詰め込んだ、自分のため誰かのための備忘録

【私的映画鑑賞文】ただ大好きでいいじゃない。

こんにちは、檸檬です!

 

 

テスト勉強をしなければなりませんが、なかなかやる気になれず先ほど観た映画の感想でも書こうかなと思いブログを開きました。

 

 

私は普段から映画を結構見るほうだと思います。主に邦画を好んで観ます。

韓国に住んでいるのでネトフリも韓国仕様になっており、邦画はたくさんあるわけではありませんがその中で毎回なんとなく気になったものを選んでみています!

そして今回チョイスしたこの映画、私的に今年ナンバーワン映画だと思いました!

 

 

メゾン・ド・ヒミコ」(2005年)

 

 

いやー素晴らしかったです。あらすじはざっくりとこんな感じ。

 

ジョゼと虎と魚たち」の監督・犬童一心と脚本・渡辺あやのコンビ作第2弾。ゲイの父親が家を出て、母は病死し、ひとりで暮らす沙織。彼女のもとに、ある日、父親の恋人である青年が訪ねてくる。青年は沙織に彼女の父親は癌で死期が近いことを告げ、父親が経営するゲイのための老人ホーム、メゾン・ド・ヒミコで働かないかと誘う。最初は借金返済のために手伝いを始めた沙織だったが……。人気俳優オダギリジョー柴咲コウが初共演。(映画.com より)

 

最近取り上げられることが多いLGBTQをテーマにしているのですが、単にゲイの話と括ることのできない性別の枠組みをも超えた人間としての尊厳、愛し方を描いた作品だと思います。

 

この映画、数々の名言が登場するのですが私的に好きなセリフをここに置いて行こうと思います。

 

まずひとつめ。

老人ホームで生活するルビーさん。老人ホームで暮らす人々は過去にさまざまな経験と苦悩をして今自分の生活を確立し自分と周りの人間を護っていることでしょう。その中でも最も明るい性格のルビーさん。お化粧をしていていつもハッピーなオーラを漂わせる人でした。

 

「ブスっとしたブスなんか、ババアのオカマより嫌われるわよ」

 

沙織が老人ホームで働き始めたころゲイたちの空間に嫌気がさして嫌悪感を示していた時にルビーさんがズバッと言い放ちます。今まで散々とオカマだのゲイだの言われて沢山傷を負ってきたであろう人生のなかで自分を確立した彼女だからこその愛のある言葉だと思います。

きっと沙織のことが可愛かったのでしょう。ふと自分の祖母を思い出します。私の祖母はいつも強い口調で真の通った愛のある言葉を私にくれたので、こんなこと言われたときには祖母に少し腹が立ったのと同時に自分が恥ずかしくなって結局笑ってしまいます。

 

 

ふたつめ。

癌を患っているヒミコの容態が悪化し、恋人であり老人ホームの管理人である晴彦が死へと向かうヒミコを前にして沙織と話すシーン。

 

「欲望が欲しいんだよ。」

 

これまで晴彦が何を思ってヒミコと共に老人ホームを経営していたかはわかりません。ただこの言葉からは、ヒミコを愛すると同時に自分の存在意義と向き合う時間が足りていなかったように感じました。

誰かのために自分を捧げてきた人生の中で自分のための欲望を出したことがない晴彦。人を愛すること以上に欲望が欲しい。若干、自暴自棄になりつつも本能に忠実に生きていきたいという力強さと同時に愛する人が消えていく孤独感を映し出した人間味のある言葉だと思いました。

 

 

さいご。

ヒミコと沙織の最後の会話。

母と自分を置いて行った父を今でも恨んでいる沙織ですが、段々と母と父の関係性に気づきながらも最後まで「ママのためにも許さない」と主張する。それに対しヒミコは「すごく真っ当な結論だと思うわ」と返し、「でもね」とこう続けます。

 

「だったら、私にも言わせてくれる? あなたが、好きよ。」

 

娘だとかとか恨まれてるとか自分がゲイだとか愛だとかなんだとかいろいろあるけれども結局は、総じてやっぱりあなたが好き。ということだけでした。

 

私はジブリ作品の「思い出のマーニー」のキャッチコピーを思い出しました。「あなたのことが大好き。」マーニーが杏奈に目一杯の愛を伝える姿から徐々に杏奈も人としての温かみを取り戻していきます。

 

それぞれ抱えているものも違うし、一生かけても分かり合えない関係性なのかもしれないけれど、それだけではないただ「あなたが、好き」と伝えられたということだけで充分なんじゃないかと思いました。

 

大人になってみると、純粋に「好き」と伝えることなんてなかなかないですよね。

人を否定したり、恨んだり、でも表向きでは仲良くしたり、自分を演じたり、結局一周回って自分を憎んだり、情けなくなったり。嘘か本当か、真実だ正義だ愛がなんだとかクソみたいな世の中だとか言ってみたりする。

 

それでも自分の目の前にいる人が好きで「大好き」と伝えることができたら、自分も相手もいろんなことから解放されてユートピアを築くことができる。そこだけで幸せに暮らせたらいいじゃん。と思う。

 

 

なんだか真剣に感想文を書いてしまいました。(笑)

またいい映画があったら残しておこう!

 

 

 

読んでくださりありがとございます!

では、また!